全国に僅か21ヶ所しか無い!!!!!
三次救急だけを扱う病院は多いが、一次から三次まで扱う救急医療センターは全国に僅か21ヶ所しかない。しかも東北地方には2ヶ所だけ。
所で、三次救急とは何なのか?
正式には、県高度救命救急センターと言って、主に三次の患者を中心に診るのだが、交通事故での心肺停止や重複骨折、脳や内臓の損傷など極めて重篤な患者を受け入れるという病院である。
県高度救命救急センターは23年前に発足した。附属病院に委託して作られた全国でも非常に珍しい形態である。高齢化と共に急患は増加を続けている。附属病院に併設されているため、人材、運営、そして県の補助によって最先端の救急医療が可能となった。
ドラマ「救命病棟24時」の救命救急は、処置室のすぐそばにICUが設けられ、その大空間の中で治療が行われるが、実は県高度救命救急センターには、手術室、CCU、ICU、経過観察病棟が建物の中にあるのだ。だから救急医は、治療に専念出来るし、大量の患者にも対応出来る。CCUでは24時間看護が常識で、スタッフが足りない時は、隣接した附属病院から当直医が回って来る。
そして更に驚く事は、「救命病棟24時」のように一人の医師がまるで嘘のように、全ての治療をする事は無い。開業医のような万能の医師はいないと言う事だ。
スタッフは附属病院、30診療科の専門医師が多数で診察に当たり、手術が必要なら、その専門医がやって来て対応する。
そしてこの県高次救命救急センターでは、全国で初めて内因性精神科救急という体制を作った。ここはその分野での全国のパイオニアである。
私も何度も世話になった。
初めて夜間急患として行った時も、なんと精神科担当の女医さんが手当をしてくれた。
今回は精神科に附属病院での通院歴がある事、第一内科・第二内科にも通院している事が、電子カルテで直ぐ分かり、胸部レントゲン、頭のCT、更に動脈からの採血と、全てが30分ほどで終了し、そこへ精神科の当直医が来て即座に過換気症候群と判断した。
実は途中、息苦しくて、救急車の中でハァハァしているのに、酸素吸入をしなかったのは、盛んに県高次救命救急センターと連絡を取り、私の名前が電子カルテにある事を知ったスタッフからの指令だった。
もし救急車の中で酸素吸入をしていたら、死んでいた。
と、告げられた。
当日の事。
私のベッドの横に急患が運ばれて来た。夫婦だった。どこからか旅行でここに訪れたが、急に体調を崩したとの事。
保険証も患者の病歴や薬剤アレルギーも分からない。
しかしスタッフの数が充実していて、あらゆる検査が一斉に行われていた。
この夫婦がどうなったのか、私は眠ってしまったので分からなかったが、「救命病棟24時」のような対応では一人の医師の判断で患者の生死が決まる。そんな救急医療はあってはならない!!
救急車との緻密な連絡がなければ、救命救急は存在しない。
県高度救命救急センターには看護師を除いて、なんと毎日35~36人の常勤医がいる。全ての患者に対して全力で治療するために…
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