夜中の悲叫
午前2時、いつものように中途覚醒した。
睡眠導入剤を飲んでいるが、これは毎日の事なので
今は別段気にすることなく、睡魔がよみがるまで待つようにしている。
ところが、こんな深夜にラム姫が鳴いている。
しかも連続的で途絶えることがない、助けを求める鳴き声だ。
すぐ窓を開け、懐中電灯を持って照らすと、どうやら何かに鎖が絡まったらしいので、
早速降りて行ってラム姫に近づくと、
今回は樹の切り株が二つ並んだ所に、鎖がちょうど8の字のように何十にも絡まっていた。
かなりジタバタしたようだが、これでは動けない。
しかも土砂降りの雨 の中…一体いつから絡まっていたのか?
ラム姫はびしょ濡れで、泥水で真っ黒だった。
寒そうにぶるぶる震えていた。
早速、車からタオルを取り出して、頭を拭く。
と同時に、絡まった鎖を解いた。
私の靴もズボンも、ラム姫が暴れて、泥だらけ。
とりあえず犬小屋に入って寝るだろうと思い、ひとまず部屋へ戻った。
服を着替え、濡れた頭を拭いて、
ラムの鳴き声が収まったので、私はそのまま眠ってしまった。
所が、午前4時13分、再びラムの叫び声で目が覚めた。
まだ泣いている。
懐中電灯で照らすと、
激しい雨の中で、濡れたまま泣いていた。
すぐに駆け降り、ラム姫の元へ走る。
そうなんだ!
我が家のラム姫はとても綺麗好きで、汚れた身体で犬小屋に入りたくないらしいのだ。
この点はかなり頑固で、絶対に拒絶する。
しかし雨は降るし、かと言ってやんちゃなので家の玄関先に繋いでも、あちこち壊すし、第一落ち着かないだろうと思った。
そこで散歩用のロープで、物置小屋へ連れてって、トラクターのアームに引っ掛け、蓙を出して敷いた。
当然まだ興奮してて座らないので、家に戻って拭くものと着せるものを持って行った。
しかし保温のため掛けたジャンパーを嫌がり、ベタベタにふんずけ周囲をうろうろ。
仕方ないので、身体を念入りに拭いてやった。
それでも新しい環境が気になるらしく、うろうろしていたが、どうやら落ち着いて来たので、蓙の上にジャンパーを敷いて私は戻る事にした。
その時には雨も上がり、辺りが明るくなっていた。
もうこんな時間。
いつもは聞く機会の無い、防災無線のチャイムが鳴った。
最近のコメント