後ろからの視線
車はここではどうしても必需品なので、運転する機会も多い。
他に交通手段は無い事もないが、そこまで行くのに、やはり車が必要。
雪が降れば、特に…
私は自転車に乗る事を医者から禁止されているので、どの道、冬は足が無い。
仕方なく車を運転するのだが、
ここで厄介な病気が出てくる。
身体表現性障害である。
以前は、道路に小さな水たまりや黒っぽいゴミが落ちているだけで、
「ひょっとして、今のは人間じゃなかったか?」と不安になり、
再び引き返して来て、ゴミだと確かめる程重症だった。
車を運転していても、常に周囲が気になるので、
信号を見落として、横断歩道で止まらず、そのまま女性に当たりそうになって
途端に、ハッと気づいて、慌てて急ブレーキを掛けた事もあった。
そんな状態が続いたので、急遽、薬を変更し、強いのに変えてもらった。
以後、前方にはかなり注意するようになった。
しかし困った事が起こった。
今度は後方が気になり出した。
それはある夜の事…
国道は空いていて、結構暗い道になっていた。
すると、後方から早い車が近づいて来た。
しかも私の後ろにピタリとくっついた。
「早く行けよ!」とけしかけるように、離れない。
そして信号が近づいて来た。
止まるか…そのまま通過するかの際どい判断…
私はブレーキを踏んだ!
もうダメだ、ぶつかる!
と思いきや、何んとその車は、素速いハンドルさばきで、追突をかわし、
右折車線に入ってきた。
「すげぇ!」
さすがにあれだけ車間距離を詰めるだけの車だから、
運転技術も半端じゃなかった…
などと感心して場合ではなく、私はこの奇跡に感謝した。
お兄さん二人が乗った車は、信号が青に変わると、
私よりも早く発進!車線を変えて、あっと言う間に先に行ってしまった。
それからと言うもの、後続車には常に監視の目を光らせる。
が、ピッタリ付かれると、気が気ではない。
急激にアドレナリンUP。
緊張してしまう。
追い越してくれればいいのに、と思いながらも、段々落ち着かなくなる。
こうなるともはやウィンカーを出して、私の方から除けたり、
駐車したりが出来なくなる。
ここでハタと考えた。
どうすれゃ、ちゃんと車間距離を取ってくれるのか?
先に行きたきゃ、追い越せばいいのに……
とにかく気にしなければ何の事は無い、ごくありふれた状態なのに、
後ろからの圧迫感が、じんわり恐怖に変わって行く。
そこでステッカーを貼って見る事にした。
車のステッカーと言えば、こんな物なのだ。
そしてとりあえず「追突・接近注意」と言うのを貼って見た。
しかし全然効果無し。
ここでハテナと考えた。
「じゃぁ、ステッカーを作っちゃえばいいじゃん!」
しかも単色だとオリジナル・ステッカーは意外と安い。
と言うか、市販品のを買うより、よっぽど安い。
早速注文。
さてどうなることやら…
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