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2009年5月20日 (水)

『ICHI』~綾瀬はるか参上!

綾瀬はるか主演、映画「ICHI」をやっと観た。



ICHI
製作年: 2008年
出演者: 綾瀬はるか 窪塚洋介 島綾佑 渡辺えり(渡辺えり子) 横山めぐみ 利重剛 竹内力 佐田真由美 柄本明 大沢たかお 中村獅童 杉本哲太

DVDレンタル可



ICHIを観て。

日本時代劇の伝統を現代に受け継いだ傑作!
ニューヒロインの綾瀬はるかは、女座頭を見事に傑出した演技と表現で演じた。

多くの場合、周囲の評判や評価によって先入観が生まれ、理屈を追求してしまう傾向にあるが、本作に関しては、殆ど知識を得ないまま鑑賞した。当然、ストーリーも、誰がどんな役かも、クライマックスも何も知らず観る事となった。

結果は……Wonderful and Beautiful !
まず綾瀬はるかの目に注目してしまう。前半に長回しのシーンが出てくる。大沢たかおと森の中で会話するシーン。このシーンのある演技に注目。……しかもこのシーンは森の中なのに、意外と明るい。綾瀬はるかの力量に唸った。

そしてやっぱり凄いのは、「いち」が女だと言う事。横顔がとても綺麗だ。特に、多用されている真横からの顔のアップのカットで、綾瀬はるかの鼻筋の美しさが際だっている。この美しい鼻筋のラインが、日本女性独特の憂いさを醸し出している。まさに綾瀬はるかならではの真骨頂かもしれない。

凛々しい顔、悲しい顔、悲痛な顔、恋する顔、本当に様々な表情を、大げさではなく微妙に表す演技にも力量を感じざるをえない。

この映画を従前の「市」と比較してはならない。昔で言えば、女性だから「おいち」である。これはもはや独立した分野として、日本映画に刻まれるだろう。

さて映画の作りはどうか……。
まず山形の風景がいい。光の撮り込みや、カット割、各シーンの長さ、画面の色彩も全て見やすい設計になっている。属に言う、映画の色彩設計というやつ。映画を楽しめる環境が整っていて、集中する事が出来た。これが合致しないと、とても見苦しい映画になる。
最初の殺陣のシーンでは、スローモーションが使われている。が、ここが最初の見せ場なのだから、スローにして欲しくなかった。その上で、子供があまりの速さに驚くと言うドアップが見たかった。「座頭」と言えば、やっぱり居合い抜きなので、その凄さを血しぶきではなく、もっと別な方法で表現した方が、よりリアルだったように思う。

そして他は、総じて不満無し。
「いち」は女性である。男性のように強靭な体力があったのでは様にならない。弱い時は弱くていい。

総評として、綾瀬はるかの「ICHI」は、とっても凛々しい。大沢たかおのへなちょこ侍と対比させる事で、綾瀬はるかの凛とした美しさがひと際鮮明に映し出される。
その凛とした美しさが消えそうになった時、へなちょこ侍が剣を抜く。

まるてSF少女マンガの王道を行く設定ではないか!

ド派手なシーンはそれほど無いが、それでも大満足の映画だった。
ちなみに我が家は5.1chデジタルサラウンド+フロント6スピーカー(テレビは普通のブラウン管)で観たが、音も実に歯切れがいい。これほど集中出来た映画は、最近殆ど無い。大抵は、デジタルサラウンドにすると音に迫力が無くなってしまうくらい、音に無頓着な映画が多いが、この映画は別格だった。抜けが物凄く良い。

スタッフも凄いし、勿論主演の綾瀬はるかも凄い。
どちらも欠けてはこの映画は成功しなかっただろう!
実に小気味よい、後味の良い傑作である。

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