平原綾香~シチリアーナ 原曲を聴く
「シチリアーナ」は、シングル曲ではないので、
アルバムを持っていない人や、
DVDを持っていないと、
知らない曲である。
2009年9月2日に発売されたアルバム、
「my Classics!」にも収録されている、この曲。
「my Classics!」は全て、
クラシックの曲に歌詞を付けた楽曲で構成され、
曲数は、12曲。
「シチリアーナ」は、その10曲目に入っている。
初めて聴いたのは、
『LIVE DVD「Concert Tour 2007“そら”at 国際フォーラム」』の中であった。
<ピアノの音で曲が始まる>
薄汚れ様の暗幕(第一霞幕)に、暗い山並みと湖らしき景色が映る。
もの悲しくピアノの音が響き‥‥
と言葉で表現するのは困難なので、
興味がある方は、YouTube にあるので、どうぞ。
これまで「シチリアーナ」は、平原綾香のオリジナルだと思っていたが、
「my Classics!」を見て、初めてこれが、
実はクラシックの楽曲だった事に気づいた訳だ。
それ以前のアルバムにも入っていたのに、
ろくに歌詞カードも見ていなかった。
なんと御粗末君なんでしょう、私は。
なので。
原曲を聴いて見る事にした。
YouTubeにも少々あるが、どうも違うみたいだ。
イタリアの作曲家、オットリーノ・レスピーギと言う人の曲で、
タイトルは、「リュートのための古い舞曲とアリア」と言う一連の曲の中の、
第三組曲の三番目(作者不詳、16世紀末)と言う曲だそうだ。
レスピーギという人が、昔ながらの曲を、
現代音楽に作り上げたと言う事、らしい。
組曲は、第一組曲から第三組曲まであり、
全部聴いてると、かな~り長いので、
手っ取り早く、第三組曲だけ収録したCDを探したが、
無い!
仕方なく、「イタリアのセレナード」と、その他が入ったCDを買った。
イタリア合奏団。
ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスからなる11人編成。
タイトルの「リュート」とは、古い弦楽器の事らしく、
オリジナルは、この弦楽器の為に作られた曲のよう。
ピアノや管楽器は一切入らない。
そして原曲は、3分29秒と短っ!
この曲がモチーフになった"シチリア"は、
どうやら風光明媚な海岸地帯ではなく、
荒涼とした荒野の続く、中央内陸部の事のようである。
シチリアーナは、シチリア舞曲の中の女性名詞であるらしいが、
第三組曲の1番、イタリアーナ。2番、宮廷のアリアは、
とてもモノ悲しい曲である。
そして3番、シチリアーナも又、悲しい旋律が続く。
4番、これも重く沈んだ曲である。
19世紀末と20世紀の狭間に書かれたこの曲は、
どうやら、世紀末の悲観的な時代を表しているようだ。
と、後述にはある。
なるほど・・・
それにしても、このややもすれば悲壮感さえ漂うこの楽曲に、
~静かな今日の終わり 最後に触れたぬくもり‥‥~
と続く歌詞は、実に良くマッチしていると言える。
この楽曲の誕生の契機を知ると尚更、納得出来るのである。
~未来などいらない ただ あなたがほしかった‥‥
舞い上がれ 舞い散れ この風は決して消えない~
で完結する。
当時の人々は、19世紀末に及んで、
悲観に暮れ、
神に見放された、と思った事だろう。
この世の終わりか・・・
20世紀が訪れた時、
どんな感情が渦巻いた事だろう。
おそらく、我々が、20世紀末から21世紀の狭間で、
右往左往した心情より、よほど狼狽していたのではないか。
~ 誰がための自分ですか… …この世の続きは ~
A-yaが刻んだ歌詞は、現代と過去を往来しているようだ。
「シチリアーナ」を編曲した、沢田完 氏にも拍手をおくりたい!
« リフレックスの効果 | トップページ | 君が教えてくれたこと »
「芸能・アイドル」カテゴリの記事
- GW以降にAKB48からの卒業発表したメンバー(2023.06.07)
- AKB48メンバーの悲喜こもごも (2023.05.28)
- 前田亜季ちゃんの3年前の映画「やがて水に歸る」が陽の目を見る(2017.10.30)
- 医師たちの恋愛事情(2015.06.30)
- 最新版2014年女性タレント出身高校別偏差値ランキング(2014.02.24)
最近のコメント