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2009年10月18日 (日)

平原綾香~シチリアーナ 原曲を聴く

「シチリアーナ」は、シングル曲ではないので、

アルバムを持っていない人や、

DVDを持っていないと、

知らない曲である。



2009年9月2日に発売されたアルバム、

「my Classics!」にも収録されている、この曲。

「my Classics!」は全て、

クラシックの曲に歌詞を付けた楽曲で構成され、

曲数は、12曲。


「シチリアーナ」は、その10曲目に入っている。


ノア流星群の神々-シチリア島
シチリアと言えば、シチリア島の風景が有名。



初めて聴いたのは、

『LIVE DVD「Concert Tour 2007“そら”at 国際フォーラム」』の中であった。


<ピアノの音で曲が始まる>


薄汚れ様の暗幕(第一霞幕)に、暗い山並みと湖らしき景色が映る。

もの悲しくピアノの音が響き‥‥


と言葉で表現するのは困難なので、

興味がある方は、YouTube にあるので、どうぞ。



これまで「シチリアーナ」は、平原綾香のオリジナルだと思っていたが、

「my Classics!」を見て、初めてこれが、

実はクラシックの楽曲だった事に気づいた訳だ。


それ以前のアルバムにも入っていたのに、

ろくに歌詞カードも見ていなかった。


なんと御粗末君なんでしょう、私は。


なので。


原曲を聴いて見る事にした。

YouTubeにも少々あるが、どうも違うみたいだ。


イタリアの作曲家、オットリーノ・レスピーギと言う人の曲で、

タイトルは、「リュートのための古い舞曲とアリア」と言う一連の曲の中の、

第三組曲の三番目(作者不詳、16世紀末)と言う曲だそうだ。


レスピーギという人が、昔ながらの曲を、

現代音楽に作り上げたと言う事、らしい。


組曲は、第一組曲から第三組曲まであり、

全部聴いてると、かな~り長いので、

手っ取り早く、第三組曲だけ収録したCDを探したが、


無い!


仕方なく、「イタリアのセレナード」と、その他が入ったCDを買った。

ノア流星群の神々-レスピーギ

イタリア合奏団。

ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスからなる11人編成。


タイトルの「リュート」とは、古い弦楽器の事らしく、

オリジナルは、この弦楽器の為に作られた曲のよう。


ピアノや管楽器は一切入らない。


そして原曲は、3分29秒と短っ!


この曲がモチーフになった"シチリア"は、

どうやら風光明媚な海岸地帯ではなく、

荒涼とした荒野の続く、中央内陸部の事のようである。


ノア流星群の神々-シチリア荒野
イタリア内陸部、シチリア中央部の現風景


シチリアーナは、シチリア舞曲の中の女性名詞であるらしいが、

第三組曲の1番、イタリアーナ。2番、宮廷のアリアは、

とてもモノ悲しい曲である。


そして3番、シチリアーナも又、悲しい旋律が続く。

4番、これも重く沈んだ曲である。


19世紀末と20世紀の狭間に書かれたこの曲は、

どうやら、世紀末の悲観的な時代を表しているようだ。

と、後述にはある。


なるほど・・・



それにしても、このややもすれば悲壮感さえ漂うこの楽曲に、

静かな今日の終わり 最後に触れたぬくもり‥‥


と続く歌詞は、実に良くマッチしていると言える。

この楽曲の誕生の契機を知ると尚更、納得出来るのである。


未来などいらない ただ あなたがほしかった‥‥

  舞い上がれ 舞い散れ この風は決して消えない


で完結する。


当時の人々は、19世紀末に及んで、

悲観に暮れ、

神に見放された、と思った事だろう。

この世の終わりか・・・


20世紀が訪れた時、

どんな感情が渦巻いた事だろう。


ノア流星群の神々-シチリア夕日
世紀末、沈む夕陽を見ながら
人々は何かを恐れていたのかもしれない


おそらく、我々が、20世紀末から21世紀の狭間で、

右往左往した心情より、よほど狼狽していたのではないか。


~ 誰がための自分ですか… …この世の続きは 



A-yaが刻んだ歌詞は、現代と過去を往来しているようだ。


「シチリアーナ」を編曲した、沢田完 氏にも拍手をおくりたい!




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