イデの真実
今では全く見なくなったアニメ。
せいぜい見るとしたら、「ちびまる子ちゃん」と「クレヨンしんちゃん」のみ。
特に全盛を極めているSFアニメは、全く興味が無くなった。昔はSF大好き少年で、「スーパージェッター」から「宇宙戦艦ヤマト」、「銀河鉄道999」や「ドラゴンボール」など、止めどなく見ていた。
それが何故興味が無くなったのか、自分でも理解出来なかった。ずっと、病気のせいで、夢どころでは無いから・・・と思っていた。
しかし一つだけ気になるアニメがあった。
私の中で不完全燃焼で終結したSFアニメがあったのだ。
そのアニメのDVDを借りて見た。
このSFアニメは、最終回で釈然としない終結を向かえた。そのために、本当のラストが知りたくて、再編集版と完結編の2本を見る事にした。
「接触篇」と「発動篇」と題された2本である。
「接触篇」はTVシリーズの総集編で、第1話から第21話まで。「発動篇」はTVシリーズ後半を第23話から最終回までと、TVシリーズでは放送されなかった第40話から第43話に新たに作画された新作部分のラストを加えた完全版である。
TVでは、「伝説巨神イデオン」の最終回は未放送で終わったため、第39話を無理矢理最終回にした事によって、ストーリーに不自然さを残ってしまった。
そこで総監督を務めた富野喜幸(現・富野由悠季)が劇場版として、新たに作画を追加し、本当の最終回を作る事に成功したのだ。
【ストーリーは・・・】
地球人類が宇宙の他の星に移民した時代から始まる・・・・・
そこで他の異星人が残した宇宙船と巨大ロボットを発見。このロボットには無限エネルギー「イデ」が存在していた。
その「イデ」を探していた異星人バッフ・クランと地球人類が接触してしまった事から、戦いと宇宙逃亡が繰り広げられる。
と、至ってシンプルな設定であるが、このアニメが印象深く残っているのは、逃げても逃げても、「イデ」が発するエネルギーを探知して、バッフ・クランが執拗に追いかけてくる点にある。
そして交戦の度に、地球人の犠牲者が増えてゆく。
他のSFアニメは勿論、実写SFでも、次々に主人公の仲間が死んでゆくという壮絶な設定は無いだろう。
誰かが、誰かの為に戦い、死んでゆく・・・という美談の設定は多数存在するものの、感情移入した主人公たちが次々に殺されて行くストーリーは他に無い。
やがて「発動篇」のラストが迫る。
TVでは省略されていた部分が、克明に描かれている。
人類の乗る宇宙船は破壊され、乗り組んでいる女性や子供、更には赤ちゃん、指揮官・・・全員が、殺されて行く。
何ともショッキングなラストである。
やがて妊娠していたバッフ・クランを裏切った女性も、お腹の子供と共に、バッフ・クランに殺されてしまう。
その瞬間、「イデ」が発動し、無限エネルギーを放出。
バッフ・クランも、惑星も、全ての宇宙に生存する生命もが、「イデ」の力で消滅してゆく。
「イデ」の持つ力とは、宇宙の生命を完全に絶やすためのエネルギーだったのだ。
争い、憎み、仲間同士が傷付け合い、殺し合う生命。その存在を宇宙から消すための、放ってはならならいエネルギー。
宇宙創生のエネルギーを持った巨神だった。
この衝撃的なラストは、勧善懲悪とか、主人公は死なないとか、誰かが助かるという半端なものではなかった。
これまで幾度となく、SFの世界では実写化不可能と言われていたアニメや小説が映画化されているが、これほど残酷なSFが他にあるだろうか?
宇宙をリセットするなどと言う発想を、どうやって映像化出来るのか?
それよりも、幼い子供たちが次々に殺されてゆくシーンなど、アメリカでも日本でも、実写化など出来ないだろう。ましてや妊娠している胎児と母親まで・・・
この後に作られた、「ガンダム」や「エヴァンゲリオン」も確かにスケールの大きなSFではあるが、私の中では、「伝説巨神イデオン」を上回る事は出来ていない。
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