「告白」は衝撃よりも痛快娯楽作品
「この中に犯人がいます」と始まる、松たか子主演の映画「告白」をレンタルで見た。
映画の本筋は、娘を殺された女性が、法の裁きを間逃れた殺人者に対して、復讐するという端的な話で、取り立てて大騒ぎするものでもない
単に相手が中学1年生だ。と言うだけの事で、法が許してしまうなら、親である女性が娘の無念を晴らすという、実に分かりやすいストーリーだ
冒頭の25分で『女教師の告白』があり、あとは実行犯の中学生の家庭事情とか、精神病質とか、分裂症的無関心とか、親のを気を引くためとか・・・色々、ごたごた描かれているが、この部分は少々詰まらない
被害に遭った娘にとって、そんな事はどうでもいい事だし、何の落ち度もないのに、鬱憤晴らしのために殺されなければならなかった事を思えば、犯罪者側の心理などどうでも良い。
この映画は、結局、観ている者が、
復讐する松たか子に同情するのか
それとも殺した中学生側の立場で観るのか
或いは見て見ぬふりをしていた同級生の立場なのか
それによってこの映画を観ている者がどんな人間なのかを分類するような映画になっている。
人を殺すという事がどれほど罪悪に満ち、卑劣で、惨いのか・・・
一度でも誰かを殺そうと思った人は、松たか子の女性教師に同情はすれども、納得しないだろう。
淳
新潮文庫
1997年5月に起きた「神戸連続児童殺傷事件」。14歳の少年に我が子を奪われた父が綴る鎮魂の手記。
従って私自身は、この映画の途中の、殺した犯人のダラダラしたシーンは早送りさせてもらった。
どんないかなる理由があろうとも、人を殺してはダメなのだ。
絶対に許されない。
これほど時代劇っぽい痛快な映画は久しぶりであった。
実に小気味よい
しかしこれが第34回日本アカデミー賞の最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞、最優秀編集賞とはチャンチャラ可笑しいわ。
このような在り来たりのストーリーで、日本アカデミー賞と言うのもお粗末な話で、ストーリーが分かれば何度も見たいとは思わないし、編集も雑。中学校の教室なのに、張り紙一つ無いのは絶対変。今時の教室とはとても思えない、非現実的セット。しかも舞台劇のように、画面の上が暗く、教室の明るさではない。更に、またまた外の景色が全く見えないし、作新学院の校舎らしいが、どう見ても三文舞台セットのような無機質で安っぽいセットは、興を損ねる。
普通の明るさで描くと、開放感があってリアル感や切迫感が消失するとでも考えての照明だろうが、だからこそ非日常的な世界へ観客を誘い込もうという根端が見え見え。
それでも初志貫徹。
見事、制裁を成し遂げ、女性教師は荒野へと旅立つのであった———
松たか子演じる教師が、「あずみ」に見えてしまった
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