ビンラディン容疑者を殺害で私の10年戦争が終わった
2001年9月11日は私にとって、忘れる事の出来ない日だった・・・。
当時、喘息発作で意識を失い入院。
そのまま闘病生活を送っていた、夏の残暑が残る病室で、私は「米同時多発テロ」のニュースを、病室から少し離れた談話室のテレビの音で知った。
今は取り壊され、新しく立て替えられたその病院は、とても古く、廊下には裸電球が付いていた。当時は冷房も無く、寝たきり状態の私は、点滴の日々を送っていた。
6人部屋の、一人の患者がテレビで報道された「米同時多発テロ」のニュースで騒いでいた。
「こりゃ大変だ!! 日本はアメリカから金出せってせがまれるぞー」と、大騒ぎ。
私も点滴を刺したまま、談話室のテレビを見に行った。
何度も入退院を繰り返し、精神的にも参って、精神科にも通い始めていた頃で、自分自身の身体の弱さに絶望しかけていた時の惨劇だった・・・
世界貿易センタービルに衝突した飛行機にも、米国防総省(ペンタゴン)の手前に墜落した飛行機にも、たくさんの乗客が乗っていた。
彼らの驚嘆と無念を思うと、とても騒がしく病室で話題にする事ではなかった。
で、私は我慢し切れず叫んだ。
「あんたら、何がそんなに面白いんだ 大騒ぎで話す事じゃないだろ いいかげんにしろっ」
そんな言葉を叫んでいたら、血相を変えた先生がやってきて、
鎮静剤を二の腕にブチューー
斯くして私はそのまま、どっぷり深い深い眠りについて、翌日、個室に移してもらった・・・
そのあと異変が起こった。
それまで好きだった推理小説が全く読めなくなった。
推理小説ばかりではなく、小説そのものを読む事が出来なくなった。
小説の世界・・・フィクションだろうがノンフィクションだろうが、なんと小さい話なのか・・・。人を殺そうと思えば、実に簡単に、しかも大量に無差別に無残に残忍に残虐に殺す事など現実世界の方が意図もたやすいのだ。どんなにセンセーショナルな、どんなに手の込んだトリックやストーリーや映像でも、所詮実際の虐殺性に比べたら、足元にも及ばないのだ。
今も若い人たちは、本当の人殺しの惨たらしさを知らない・・・。
軽薄な、癌で死んでしまう映画や若者が白血病になって死んでしまう映画が「悪の巣窟、携帯小説」から産まれ、面白可笑しく、面白出来るだけ悲しく描く事に心血を注ぐなんて、日本人はどうかしてる
どうしたんだ、君達は・・・何故に死ぬ事だけのストーリーを見たがるのか
死ぬ事は悲しいというより、惨い事なのだ。
美化する必要はさらさら無い。
あれからもう10年が経過しようとしている。
私が他人に対して、怒りを露わにしたのは、
あれが最初で最後・・・・・のはずだった
だが。
東北関東地方太平洋沖地震による津波被害は、あの時の惨劇を彷彿されるものとなったばかりか、その後の福島第一原発の事故が、東電と政府のお粗末な対応で被害が拡大ばかり続け、挙げ句に福島県民に対する風評被害に至り、そりゃもうご立腹
そりゃもう当時の事を思い出すわ。
「三菱銀行爆破テロ事件」
「成田空港管制塔占拠事件」
「東大安田講堂切腹事件」
日本中を巻き込んだ恐怖のテロ行動事件を目撃して来たけれど、
今回のように、東京のテクトロニクス都市の繁栄が、東北地方を犠牲にして成り立ってきたかと思うと、はらわたが煮え繰り返る気持ちになる。
東京の繁栄が、東北に何かをもたらしたと言うのか
産業廃棄物というゴミばかり押し付け、煌びやかな空間に暮らす人々に、東北の何が分かるというのか・・・。
・・・・もしかしたら、「米同時多発テロ」が起こらなかったら、私の東京に対する考えも変わらなかったかもしれないが、繁栄の陰で、貧しく、慎ましく暮らしている者の叛乱・謀反かもしれないが、それでも東北人はビンラディン容疑者のような考えを持つ人はいないだろう。
少なくとも、同じ日本民族なのだから・・・と思いたい。
ビンラディン容疑者が米海軍特殊部隊の手によって殺害された事で、アメリカ国民は少なくとも「米同時多発テロ」の悲劇から抜け出せるに違いない。
たとえそれが新たな戦いの始まりだとしても、区切りを付ける事は、次へ進む為の一歩になるだろう。
勿論、時が経てば皆年老いて死んでゆくが、それまで辛苦を背負い続けるのは、酷と言うもの。
無縁仏 元禄十二年(1699年)の墓 作られてから312年の時が経ている。
私も、あの時の感情をどうしても忘れる事が出来なかった。
大勢を巻き込む事が正しいとは、絶対思いたくない。
福島第一原発の事故は、あまりにも大勢の人を巻き込んでしまっている事に、東電や政府や東京都民や関東一円の人々は、ちゃんと分かっているのだろうか
福島第一原発から出た放射能を多量に帯びた瓦礫は、
是非、東京湾に捨てて欲しいぜ
東京電力管内の電気料金値上げは当然
しかし何故、東北電力管内も一緒に値上げなんだっ
電気を大切に使い、電気を使う事でいかにお金が費やされているかを知らしめる為に、東京都内だけでも10倍くらいの電気料金にしてもらいたい
このどさくさに紛れて、東北まで値上げの飛ばっちりは、まっぴらご免だからな
だいたいここは地熱発電所があって、100%自給電力が可能なのに、なんでいちいち停電するんだ
水力発電所だってあるのに・・・・
値上げには断固抗議、
しようかな・・・って、また怒るのはもう疲れる┐(´д`)┌ヤレヤレ
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コメント
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コメント、ありがとうございます。
区切りをつける事は、何にも大事だと思います。
そして病に伏してもしぶとく生きる・・・
病気になっても治癒している人はたくさんいるのに、「死」を美化し過ぎる映画やドラマばかり。
東日本大震災で日本に真っ先に軍を派遣してくれたアメリカ。
ベトナム戦争でも、イラン・イラク戦争でも、湾岸戦争でも、
アメリカ兵は「これでいいのか?」と、いつも自問自答し苦しんで来たけれど、
今回の軍事作戦は、彼らに勇気を与えた気がしています。
私も、元気と勇気をたくさん貰いました。
投稿: じんべい | 2011年5月 6日 (金) 15時48分
ニュースステーションを見ながら宿題をやっていた時、
ビルに飛行機が突っ込んだという映像が飛び込んできたのを今でも覚えています。
長かったですね・・この日を迎えるまで。
これからの報復が心配されますが、ビンラディンのメッセージが報道されるたびに、
動向が注目されていました。
病気や亡くなる事を、残された者が死者を美化するような映画が多く、辟易しています。
フィクションとノンフィクションにしても、「死」を無駄に脚色して欲しいと願わざるをえません。
投稿: | 2011年5月 6日 (金) 10時31分