総務省は、「電波の医療機器等への影響に関する調査研究報告書」を平成22年5月17日改訂し、公表しましたが、当事者である私自身も全く知らない事で、今日初めて知りました。
新聞を取っていないし、テレビでは報道されないニュースが増えている事もあり、こんにちまで知らずに居た事、ネットの項目にも引っかからないので、かなり唖然としています……
総務省は、平成12年度から電波の心臓ペースメーカ等の植込み型医療機器への影響に関する調査を実施しています。
当該調査では、新たに導入された各種電波利用機器が「各種電波利用機器の電波が植込み型医療機器へ及ぼす影響を防止するための指針」に適合しているかの検証を行っています。
平成21年度においては、HSUPA方式(High Speed Uplink Packet Access方式)を用いて高速なデータ通信を行う携帯電話端末について調査した結果、心臓ペースメーカ等の植込み型医療機器の動作に影響を与えないことを確認しました。
調査結果
平成21年度の調査では、1.7GHz帯及び2GHz帯の周波数を用いる携帯電話端末のうちHSUPA方式を用いて高速なデータ通信を行うものを対象とし、心臓ペースメーカ等の植込み型医療機器としては、現在使用されている代表機器(植込み型心臓ペースメーカ41機種、植込み型除細動器28機種)を対象として調査を実施しました。
その結果、HSUPA方式を用いた携帯電話端末の電波がこれらの心臓ペースメーカ等の植込み型医療機器の機能に影響を与えないことを確認しました。
・携帯電話端末及びPHS端末の電波が植込み型医療機器へ及ぼす影響を防止するための指針
植込み型医療機器の装着者は、携帯電話端末の使用及び携行に当たっては、携帯電話端末を植込み型医療機器の装着部位から22cm程度以上離すこと。
22cm程度とは、第2世代携帯電話端末の一部の機種が植込み型医療機器へ影響を及ぼした距離のうち最大のもの(15cm)に安全率を加えて設定したものです。
現在の携帯電話端末は、ほとんどが第3世代携帯電話端末であり(2010年4月末時点で携帯電話全体の98%)、第3世代携帯電話端末は8cmまで近づけないと影響しないという過去の調査において、調査結果もありますが、現在、第2世代の携帯電話サービスが継続されていることから、22cm程度の指針を維持しているところです。
ペースメーカーへの安全性が向上したと言うHSUPA方式とは何んぞや?
【HSPA】HSPA (High Speed Packet Access) は、W-CDMAを拡張した高速パケット通信規格である。第3世代移動通信システム(3G)に対して、第3.5世代移動通信システム(3.5G)と位置づけられている。 下りの高速化をHSDPA、上りの高速化はHSUPAまたはEULと呼ぶ。またRelease7以降は、HSPA Evolutionとしてさらなる高度化が検討されている。
端的に言えば、
最新のケータイは、HSPA方式対応の端末になり、それらがペースメーカーへの影響を与えないことを総務省が調査結果として明示し、その結果について、報道各社が各様に取り扱い、一昨年、2010/05/19に記事として世の中に出てきた・・・らしい。
さて、それでは具体的な機種はと言うと・・・
NTTドコモ 「N902iX」、BlackBerry Bold、ドコモ スマートフォン、 MEDIAS WP N-06C、docomo SMART series N-05C。
ソフトバンクモバイル 法人向けUSB端末「004Z」、個人向けUSB端末「005HW」
アップル 「iPhone(アイフォーン)4S」
スマートフォンはどうやら新しいHSUPA方式のようなので、心配無用なのかもしれない。
日本人総携帯端末所持時代に突入してまだ10年ほどだが、何しろ日本人ほど、新し物好きはいないので、人々の携帯電話の買い換えのスピードも早く、古い携帯はどんどん捨てられ、分解され、再資源化されているのを見ると、日本人の新しいもの好きも、案外我々には貢献していると言う事ですね。
元々1.7GHz帯や2GHz帯は、細胞の水分に吸収され、電波が減衰する事が知られているので、携帯電話が高い周波数に移行してくれるのは、とても有り難い。
「ペースメーカー 携帯電話 電磁波」で検索すると必ず2chの話題が先に引っかかるので、どうしても"ああ、そうなのかな?"と思い込んでしまい、必要とする人、知るべき人に伝わっていないニュースも多くなるのはネットの落とし穴・・・。
医療関係者や周囲のサポートがなければ、氾濫した情報から、より適切な情報を得る事も、伝えるられる事もなく、不安に日々を送る事になってしまう。
そもそも「日本心臓ペースメーカー友の会」のような、あっても無くてもどうでもいいような友の会のサイトは情報が古いし、勉強会とは名ばかりで、刻一刻と変化するペースメーカーの性能など全く触れる事もない。
これからは在らぬ心配をしないためにも、自ら、日頃から医療ニュースに留意したいと改めて思った。
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