ペーシング率0.01
昨日はペースメーカー埋め込みから3年目で3度目の定期検査の日でした。
心エコーはサルコイドーシスの検査の時にしていたので、これは省略出来て、X線と心電図のみ。
今回は循環器医療センターの心臓血管外科の先生と、心臓血管内科の先生が診察。これまではペースメーカーの具合だけを確認するだけだったので、ペースメーカーの社員らしき人が来ていましたが、3年経過したと言う事で、本格的な検証作業を行いました。
完全房室ブロックは不整脈の一つで、心電図の波形で5種類に分類され、
基線から最も高い波形Rと次のRの間が等間隔で規則正しく波打っているのが、正常な心電図。
R波の次はT波で、その次の小さな波(Rの手前)がU波。
A、BはPの間が開きすぎる徐脈で、心拍が通常の半分程度にまで低下し、脳貧血状態に至る。
房室ブロックは、心臓を収縮して全身に血液を送ったり、呼び戻したりするために一定のリズムで電気信号を伝える「洞結節」から房室結節に伝わった信号を、右心室と左心室に伝えられない異常が起こる病気。
洞結節は信号発生装置で、ここから洞結節→結節間伝導路→房室結節→ヒス束→左右脚→プルキンエ(Purkinje)繊維と流れていきます。
この一連の流れに障害がでると不整脈が生じる。
徐脈とは区別して房室ブロックは第1度から第3度まであり、
左右心房には房室結節を通らずに電気刺激が伝わるのですが、房室結節を介して伝わる左右の心室では、房室結節に異常があると電気刺激が伝わらず、心停止の状態になる。
R波の手前が心房の動きを示すP波。R波の次の山が心室の動きを示すT波と、小さなU波。
第Ⅰ度では、心室のT波とU波の間隔にややズレがある。
房室ブロック(第Ⅱ度)
第Ⅱ度では、P波とT波の間が狭く、波も安定していない。
房室ブロック(第Ⅲ度)
R波の間が長すぎて、T波が消えてU波が見えるので心室が停止した、
心停止の状態。
私は完全房室ブロック(第ⅡとⅢ度の中間で心停止の経験なし)なので、右心房→右心室、左心房→左心室へ流れる電気信号が上手く伝わらず、
左右心房と左右心室が別々な動きをしているのを、ペースメーカーのリードを左右心室に繋げて、正しいリズムの電気信号を流しています。
今回の検査で、左心室がどうやら自律的に多少動いている状態にある事が分かり、
このままでは右と左の心室で、心筋の収縮に僅かな誤差が出ているので、その乱れを修正する事にしました。
ペースメーカーのペーシングモードDDD。
Magnet Rate(磁気率とでも読むのか?)をこれまでの2.78ppm→2.77ppmと100分の1秒長くしました。
これで再び心電図を取ると、左右心室の不同期が無くなり、綺麗な心電図に・・・オー♪
100分の1秒長くしただけでも電池の寿命が違うらしいので、嬉しいですね。
これでとりあえず3ヶ月様子を見るとして、次回の診察は1年後ではなく、3ヶ月後になりました。
ペースメーカー手帳を見ると、そう言えば埋め込み後退院する時は、この値が2.79ppmで、翌年から2.78ppmになっているので、左心室の方は少し動いているみたいですが、全く実感はありません。
ただバッテリーの電圧が2.78Vなので、2.79ppmより2.77ppmの方が電池が長持ちする・・・てな事しかわかりません・・・
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