ノーベル賞受賞者や科学者がこぞって批判会見をした、政府の行政刷新会議の「事業仕分け」で、科学技術予算を削減する判定。読売新聞の社説にも、「科学技術立国の基礎の崩壊、学術文化の喪失に至る」と指摘している。
確かにこれまでは、2002年に日本のスパコンが計算速度で世界1位になった。だが2年半で抜かれ、今は31位。背後には中国、韓国が保有するスパコンも迫っている。科学者や研究者にすれば、次世代スパコンの予算削減はさぞや歯がゆい事だろう。何せ自分たちの仕事も無くなるし、基礎研究を他国に占有されかねないのだから。
だが待てよ、と。何故世界一でなくてはならないのか?科学の進歩は、科学者たちの自己満足の為のものでは無い。研究開発は少なくとも日本の人々の為のものでなくてはならないし、ましてや世界の為のものでなければ何の意味も無い。
そんな研究者たちの自己満足の為に膨大な費用の掛かる次世代スパコンが果たして本当に必要なのか?
今必要とされる技術、これから必要とされる技術の開発に研究費をつぎ込む時代ではないのか? だいたい次世代スパコンを開発したから、それがどんな利益に結びつくのか。半導体の開発と言うが、現実は韓国に負け、台湾メーカーに提携を打診するまでに落ち込んだ日本の半導体技術。どんなに高性能でも、安くなければ売れない。
これまで日本のメーカーは、国内の消費に支えられ、海外など相手にして来なかった。
しかし国内の需要が落ちた今、慌てて海外に目を向けたが、そこには立ちはだかる巨大企業がいた。韓国のサムソン電子とLGだ。
もはやのんびり科学者の自己満足の為に、次世代スパコンの開発に予算を充当してる時代は終焉した。
現実はもっと厳しい。日本がこれから売り込もうとしている中国でも、韓国企業のシェアは圧倒的だ。国内だけに目を向け、海外での販売戦略を怠慢にして来た日本の電気大手メーカー各社。
日本の利益に全く結びつかない次世代スパコンの開発。
世界市場から追い出される日本の家電メーカー。
彼らは、確実に世界から取り残される。そして落日の時を迎えるのは、もはや防ぎようのない事実である。
世界に売れるものを作れ!
韓国メーカーの世界戦略に学べ!
松下哲学は、もう古いと言う事を、パナソニックの社員なら身に沁みて感じているはず。富士通もNECも野心的だった15年前を思い出せ。科学者たちよ、本当に次世代スパコンが必要なら、発熱する半導体ではなく、熱を吸収する素子を作れ!
ジョセフソン素子は本当にダメなのか?次世代スパコンの性能をも上回るジョセフソンコンピュータは開発が止まったままだ。制御が難しく、この研究をしているのは日本とアメリカのみ。ジョセフソン素子を使えば、演算速度は10倍、電力量は100分の1にもなるといわれている。そのため現在の半導体素子では実現できない超高速のコンピュータを実現できる半導体素子なのだ。
次世代スパコン程度ならすぐ韓国や中国、台湾メーカーが追いつく。そんな小手先の技術開発に多額の予算を計上してどうする。
日本国内だけに目を向け、自民党政権の下、手厚く保護されて来た家電大手。その結果、一体どんな製品を作って来たか?
大型液晶テレビ・・・・消費電力が300Wにもなる42型。
冷蔵庫・・・・効率が良く電気代が安いと言うが、新しい冷蔵庫で元が取れる日は来ない。
ハイブリット車・・・・結局ガソリン使うし、値段は高いし、それにレギュラーガソリン入れたら燃費悪い。
消費税・・・・上げたら誰も買わなくなる。それより軽自動車税を上げろ。地方が潤う。
スカパーHD・・・・対応チューナーはソニー製だけ。他メーカーは知らんぷり。
等々。
これだけ無駄なものを作り、儲かるものしか作らない。電気・家電業界も自動車業界も手厚く自民党政治家に保護されて来て、やっぱりデフレになりました、と言い出した。当たり前だろ。
国内がダメなので海外へ・・・・と思ったら、もう韓国勢に占有され、日本はカヤの外。知名度も人気も没落していたと言う、実に「浦島太郎」を地でゆく有り様。
誰も知らなかったのか?
2001年10月12日に韓国国会に提出されていた先の第二次大戦下における日本による強制動員などの真相調査を求める法案が2004年2月13日、可決成立した事を。
韓国の教科書には「従軍慰安婦」の記述がしっかりある事を。
韓国が日本よりはるか先を走る事例がある。
自民党政権時代、麻生前首相が自ら出向き、欧州・アメリカの地上デジタル方式を抑え、日本方式を売り込んだ結果、南米大陸の大国五カ国が日本方式を採用した。この背景には、南米各国の歴史的背景がある。
アメリカの指示のもと、安い賃金労働者として過酷な状況下で働き、ヨーロッパの植民地になった国もある。今もなおフランス領が存在するのも事実。
従って、地上デジタル方式まで握られたらと言う嫌悪感があった。そこへ日本方式を売り込んだ。現在未定の国も日本方式を採用する公算は高い。
世界には、地上デジタル方式は欧州・アメリカ・日本の3方式しかない。フィリピンも日本方式を採用する公算は高い。だが中国、韓国は独自方式で、一部欧州のDVB-Tを採用している。いずれも日本方式を追い出した要因には過去の忌まわしい占領下の国と、占領した国と言う記憶が色濃い事は明白だ。
せっかく日本方式を採用した南米五ヶ国だが、ここにとんでもない誤算だあった。
なんとブラジルでの日本メーカーのシェアは、僅か20%。対して韓国メーカーのシェアは60%。パナソニックに至ってはフィリップスの半分しかない。まさに惨敗状態。
国内だけに目を向け、世界戦略を怠った結果である。
日本方式のテレビを南米大陸で販売するのは、自国では無く韓国だ。これだから日本は目先のことしか考えない製品ばかり作る。売れなくなれば次の規格を勝手に作り、目先の利益に走る。そうやっているうちに、韓国メーカーに追い越され、台湾メーカーに助けを求め、もうすぐ中国にも抜かれるだろう。
何故自前の規格や技術を自前で売れないのか?
半導体分野ではアメリカのシリコンバレーを追い抜いた。高性能の大規模集積回路も作った。それなのに何故こんなにも簡単に韓国にシェアを占領されたのか?
次世代スパコンを作っても、すぐ韓国に追い越されるのは明白。
そんなものに国が多額の予算を計上する必要がどこにあるのか。
日本人に売れる製品より、世界で売れる製品を作れ!
技術者の自己満足の為に作るのではなく、世界の人々の為の物を作れ!
自民党による過保護の時代は終わった。
読売新聞:11月22日の社説「スパコン凍結 科学技術立国の屋台骨が傾く」は、肝心な事を忘れている。
日本は科学技術立国だったかもしれないが、国民がその恩恵を受けて来ただろうか? 技術は確かにあった。しかし製品にしたのは賃金の安い海外。国内では賃金が高く、製品に出来ない。競争力に負ける。結果的に人員整理とリストラの嵐。賃金カット。ボーナス減額・・・・
競争力は技術ではなく、製品だ。安く作ってこそ雇用が守れるのだ。
技術力など二番煎じでいい。安く作れば物は売れる。世界で韓国勢と戦える。
さもなくば、日本製品は世界でも売れなくなる。
国民も安い賃金でもいいから、働けるし、職を失うこともなくなる。
日本の没落は近い。
そこから這い上がれるのはスパコンなどでは決して有り得ない。
戦争で日本に痛めつけられた韓国人は、過去の苦しみを決して忘れてはいない。
韓国の底力はこれからだ。いよいよ満を次して現代自動車が日本に格安車を投入して来るだろう。格安の液晶テレビは既に日本製品を圧倒している。
おお、見えるぞ。近い将来の日本人の姿が。
韓国企業の下請けとして低賃金で働く姿が―――
と言うか、もう働いてる人がいるし。
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